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False Islandに参加中、Stella Hartnett(1115)のPLによるなんやかや。
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最後の強い踏切と共に左足が大地を離れる。
次いで、一瞬右足裏に返る堅い幹の感触と、伸ばした両腕に掛かる力。
勢いのまま身体を回すと、視界が巡り、世界が巡る。
白の混じる青、緑が吹き飛ぶように視界をかすめ、最後に訪れるは茶の色彩。

吐息。一度短く息を吐き、呼気を整える。
足元には三角飛びの要領で飛びつき、身を回して飛び乗った太い枝。
そのまま、傍らの幹に手をつき、顔を上げつつ身を伸ばす。

乱れた髪を掻き揚げ、視界に映るのは、濃く、そして抜ける様な青い空。
そして、どこまでもどこまでも続く一面の平原だった。
頬を撫で、身を撫でて行く風は優しく、木の葉は心地よい音曲を奏でる。
燦燦と降り注ぐ陽光に、気温は暖かい。
見渡す平原は、所々に小川や湖沼を存在させつつ、新緑の草原を抱いている。
非の打ち所のない、穏やかで、平和な光景だった。

暫くの間、そうして地形の確認をしつつ、頭の中に大まかな地図を作り上げていく。
魔物、野生の動物、或いは、宝玉の手がかりとなりそうな怪しいポイント。
そういったモノがないかと注意もしてみるが――めぼしい成果は無かった。

自分達と同様、遺跡の探索へと赴いた者達。
あれほどに存在し、同じ魔法陣より出立した彼、彼女らは、
しかし、それにも関わらず、その存在を確認することが出来ない。
周囲に居るのは、自分達――自分と木の下で待っている約2名――だけだ。

或いは、遺跡では時間や空間に対する人の常識は通用しないのかもしれない。
地中にも関わらずの、地上と変わらぬこの光景。
そして、地上でも確認されている、時空の法則を超えた特異な地点の数々。
距離は距離で無く、時は時で無く、現実は現実で無く。
我々は、既に何者かの手の平の上で踊らされているだけなのかもしれない。
そんな、考え方が頭を過ぎる。

とはいえ、仮にそうであったとし、実際にそうであったとしても、
探索者達はその歩みを止めることは無いだろう。そしてまた、自分達も。

あらゆる事象を観察し、考察し、蓄積する。
そうして、あらゆる地図は、その空白を人の手により埋められてきた。
人の世にて営まれてきた、止まらぬ、止めてはならぬ、人の知恵。
或いは、人の世にて営まれてきた、止まらぬ、止めることの出来ない、人の業。

大地と天空を分割し、その間に横たわる一筋の地平線。
その先に何が待ち受けているのか、或いは何も待ち受けていないのか。





                  向かう一歩を踏み出すため、大地へと飛び降りた。
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