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False Islandに参加中、Stella Hartnett(1115)のPLによるなんやかや。
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爆音と共に巻き上げられた砂が、周囲に降り注ぐ。
辺り一面の、岩石と砂のみで構成された、乾いた大地。
舞い落ちる砂と、吹き抜ける乾いた風、そして、渦巻く咆哮、悲鳴、呪詛。
そのうち、悲鳴を発している源は、自分自身の咽喉だった。

事の始まりは、不可思議な遺跡の探索も順調に進み、
一面に横たわる砂と岩石の大地――地上であれば岩砂漠に分類されるであろう
区域――に到達したことより起こる。

遺跡の探索行は、魔法陣への転移を使っての内部への進入から始まり、
延々と続く平原、そして、一面の『床』、さらに砂地への移動で開始された。

平原の探索は極めて順調だった。見通しも良く、足場も悪くない。
点在する木、丘陵よりルートの選定も容易であり、何の問題もなく探索は進んだ。

そして、次に現れたのが『床』である。
遺跡内であり、『床』があるのは本来ならばむしろ当たり前のことなのだが、
見上げる天井のあるべき場所には大空が広がり、先ほどまでの肥沃な平原。
そのような光景が続けば、『床』は本来の遺跡の想像図に適っているようで、
或いは、その点を無視しても端が見えないほどに延々と床が続く光景は、
ここが人知を超えた奇妙な遺跡なのだということを思い出させる。

だが、『床』は見通しは良いが、逆に、遮蔽物がなく、水場や植物の類も無い。
事前情報によれば、他の区域に比べて凶悪な遺跡の住人が棲まうという。
故に、我々はさらに探索を進め、砂地へと到達、
ひとまず進行を終え、キャンプの準備のために適当な地点を探していた。
その矢先のことである。

悲鳴。注意を引きつける為に大げさに叫び声を上げながら、
第一歩目から弾かれるように身を走らせる。
直後、背後に爆発によって引き起こされた空気の振動が伝わってくる。
おそらく、かわした魔力弾が砂地を穿ち、爆発したのだろう。

続けて狙い打ちされぬよう、射線上に別の敵が入るように戦場を駆ける。
相対しているのは、こちらと同数、3体の魔物。
仲間の斧使いが前衛で壁となり、後衛の呪術使いの仲間への攻撃を防ぐ。
そして、私は壁となる仲間の援護、敵方の撹乱役だ。

と、味方の陣地、前衛と後衛の間へと走りこみ、抜けた。
そのまま、斧使いに襲い掛かろうとしている魔物の群れに側面より突撃をかける。
獲物は短剣、組み合っての格闘戦は専門外だ。
一気に懐に飛び込んで急所への致命打を叩き込むか、
もしくは、間合いぎりぎりで戦いながら相手を引きつけるか。

さらに加速をかけながら、腰の後の短剣の柄を掴み、引き抜く。
視界に映るのは、筋骨隆々の人間の男の姿にも似た、捕食植物の一種。
この遺跡において、最もポピュラーな魔物だ。
比較的脅威は低いとされているが、魔力すら用いる相手。油断は出来ない。

独自の進化を遂げた亜人とでもいうのか、あるいは、ただの擬態なのか。
独特の咆哮をあげる一体が突撃するこちらの姿に気がつき、振り向く。
一瞬の間に視線が交差し、最後の間合いが埋まる。





そして、刃は、突き出された。
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